グローバルに支店がある会社や親会社や本店が海外にあると、日本で雇用された日本人でも海外に一定期間赴任することがあります。日本の事業所に在籍したままの場合、日本側での保険加入は以下の通りになります。

労働保険
労災保険の方は、海外派遣者として第３種特別加入をすることになります。特別保険料は、給付基礎日額（平均賃金に相当する額）を決めて、保険料算定基礎額（給付基礎日額×365）に保険料率（3/1000）を乗じたものが年間保険料となります。手続きは、所轄の労働基準監督署経由で都道府県労働局に提出して承認を受けます。例えば、4月1日から特別加入を希望する場合は、3月2日から3月31日までの間に手続きを行わないといけません。
ちなみに雇用保険料は日本側で支払っている金額に保険料率を乗じて控除します。

社会保険
海外と日本で社会保険料の二重払いにならないようにするための手続きとして、適用証明書交付申請の手続きがあります、これは日本と相手国の二国間で社会保障協定を締結している場合の年金保険などの社会保険料の免除措置で、締結している国ごとに内容は違います。
これは日本側から一部でも給与が支給されていれば免除対象になり、保険料は日本と海外の合算額の日本円相当額で判断します。よって月額変更手続きが必要な場合もあります。
申請先は、会社を管轄する都道府県の広域事務センターで、派遣する３か月前くらいから申請ができ、手続きから概ね２週間くらいで適用証明書が発行されます。海外派遣労働者は発行された適用証明書を海外に持参し、海外の勤務先で手続きをしてもらいます。