外国人の労務管理(平成22年7月1日施行関係法令に改正あり)


1) 外国人を雇用するにあたって

外国人と日本人の労務管理で一番大きな違いは、外国人の場合は、在留資格により職種が限定されるということです。
外国人を採用するに当たっては、まずその職種を担当させることが出来る在留資格を持っているか、今後取得出来るかを確認します。
その際、パスパート、外国人登録証明書、資格外活動許可書等が必要です。

【外国人を採用する際のポイント】

  1. 外国人が現在所持している在留資格の確認
  2. 就労可能な在留資格かどうかの確認
  3. 所持する在留資格の期限の確認

■ 日本で就労できる外国人は以下の在留資格を所持している外国人です。

  1. 「永住者」、「日本人の配偶者」、「永住者の配偶者」、「永住者」これらの在留資格を所持している外国人は、職種、業種を問わず就労可能です。
  2. 「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」これらの在留資格を所持している外国人は、一定の範囲内の職種、業種、勤務内容に限って就労が可能です。
    ただ、在留資格で認められた職種以外で就労させると不法就労となりますので、注意が必要です。

■ 以下の在留資格の所持者は、原則として就労不可能ですが、資格外活動の許可を得れば、就労可能です。

  1. 「文化活動」、「留学」、「就学」、「家族滞在」資格外活動は、本来の在留資格に属する活動を阻害しない範囲内で、相当と認められる場合にのみ許可されます。

留学生・就学生のアルバイト可能時間

●留学生(大学等の正規の学生)や専門学校の学生‥1週28時間以内
●留学生(大学等の聴講生、研究生)‥1週14時間以内
●就学生‥1日4時間以内

2)外国人労働者の届出

平成19年10月1日以降、外国人労働者を雇入れたり、外国人労働者が離職する際に公共職業安定所への届出が義務化されました。
違反すると30万円の罰金に処せられます。

●雇用保険の一般被保険者である外国人の届出
届出方法
雇用保険の被保険者資格の取得届または喪失届の備考欄に、在留資格、在留期限、国籍等を記載し、管轄ハローワークに届出

●雇用保険の一般被保険者でない外国人の届出
届出方法
届出様式(様式第3号)により、管轄ハローワークに届出


3)法令の適用

労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、職業安定法は、外国人労働者にも適用されます。
労働者災害補償保険法(労災保険法)は、不法就労であっても、適法に就労している労働者と同様適用されます。
雇用保険法は、外国公務員や本国で雇用保険の適用を受けている者を除き、適用労働者となります。
但し、不法就労の労働者には適用されません。
外国人労働者は、在留資格により労働が制限されておりますが、日本人労働者と同様、労働基準法をはじめとする労働者保護法が適用されます。
事業主によってはこのことを知らずに不法就労させたり、労働者保護法を遵守しない事業主がいらっしゃるようですが、悪質な場合は、入管法や労働関係法令によって処罰される可能性があります。


4)外国人労働者の雇用に関する問い合わせ機関

【雇用に関する問い合わせ(東京)】

  1. 東京外国人雇用サービスセンター
    日本で就業を希望する留学生、専門的・技術的分野の在留資格の外国人の就職支援
  2. 新宿外国人雇用支援・指導センター
    日本人の配偶者等や定住者、アルバイト希望の留学生の就職支援

【技能実習制度に関する問い合わせ】

  1. 財団法人 国際研修協力機構(JITCO)
    外国人技能実習制度・研修制度に関する総合的な支援や助言・指導

海外在住の従業員の社会保険

海外に転勤した従業員(外国人含む)ではなく、最初から海外に居住している外国人労働者などと雇用契約を締結して会社に在籍することになった場合、日本で保険加入が可能かどうかのお問い合わせを受けることがありますが、基本的に労働保険(雇用保険)は加入できません。在宅ワークの延長にあるという考え方もありますが、事実上勤務状況を時間管理することが困難なため、従業員には当たらないと監督署では判断されるようです。


では社会保険に加入できるか、という点ですが、できると言われております。そのため社会保険の資格取得手続きをして保険証も発行はされますし、社会保険料も納付が必要になります。しかし、給付に関しては、来日して滞在している間でないと受けられません。よって、実態としては保険料の支払い義務は発生するが、海外に居るうちは保険証を受け取っても使うことはできない、というお金だけ払って何も得をしない状況になります。また、従業員の家族も日本に住所を有することが、加入の条件となります。


なお、10年以上加入をして年金保険料の支払いをし続けると、将来裁定請求の手続きを会社等に委任状を発行して代行してもらえれば、納付した金額と期間に応じた老齢年金を受給することはできます。
それから国によっては社会保障協定の対象外ということもあるので、別途現地の法律に基づいて、保険加入が必要になることもあります。その点は現地の専門家などに事前に相談が必要だと思われます。

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