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精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように、その方を法律面や生活面で保護や支援する制度です。
成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度からなり、法定後見制度はさらに後見、保佐、補助の3つに分けることができます。任意後見制度は本人の判断能力が衰える前から利用できますが、法定後見は判断能力が衰えた後でないと利用できません。

成年後見制度
法定後見 任意後見
・成年後見
・保佐
・補助
判断能力が衰えた後
判断能力が衰える前


任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と任意後見人を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公正証書を作成します)。
なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。

成年後見までの流れ
任意後見の場合
(1)後見人と公証役場で任意後見契約を結ぶ
費用

公正証書作成の基本手数料 11,000円
登記嘱託手数料 1,400円
登記所に納付する印紙代 4,000円
その他 本人らに交付する正本等の証書代、
登記嘱託書郵送用の切手代など


必要な書類

  1. 本人について・・・・・・印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
  2. 任意後見受任者について・・・・・・・印鑑登録証明書、住民票


(2)任意後見契約の登記
   登記される事項

  1. 任意後見監督人の選任前
    本人、任意後見受任者、代理権の範囲
  2. 任意後見監督人の選任後
    本人、任意後見人、任意後見監督人、代理権の範囲

(判断能力が低下)
(3)本人の住所地の家庭裁判所に任意後見監督人選任の申し立て
     申し立てできるのは、本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者等です
費用

申立手数料
(印紙代)
800円 申立書に添付
成年後見登記手数料(印紙代) 4,000円 成年後見審判決定内容の
東京法務局への登記手続
通信費・郵送料
(郵便切手代など)
4,300円 家庭裁判所により異なります
鑑定料 6万円〜
10万円くらい
本人の判断能力の医学鑑定
後見・保佐のみ必要

必要な書類

  添付書類  
本人 1.戸籍謄本  
2.戸籍の付票又は住民票  
3.登記されていないことの証明書  
4.医師の診断書  
5.本人の状態を確認できる書類  
(介護保険証書、障害者手帳など)  
6.本人の財産や収支を確認できる書類  
(不動産登記簿謄本、通帳写しなど)  
申立人 1.戸籍謄本  
2.住民票  
後見人等
候補者
1.戸籍謄本  
2.戸籍の付票又は住民票  
3.登記されていないことの証明書  
4.身分証明書  


(4)家庭裁判所が任意後見監督人を選任(後見人によるサポートが開始)


(5)後見人は1ヶ月以内に、本人の財産目録を作成し家庭裁判所に提出以降、後見人は家庭裁判所・後見監督人に、本人の身心の状態、財産管理の状況などを定期的に報告します。

任意後見人の職務内容
  1. 財産調査・財産目録の作成
  2. 本人の意思確認及び心身の状態及び生活状況の確認
  3. 支出金額の予定
  4. 受任された事務の処理
  5. 任意後見監督人への事務報告
  6. 急迫の事情がある時は必要な処分をする


後見事務報酬(東京家庭裁判所の目安)

後見事務 報酬額
管理財産額1千万円未満 2万円/月額
管理財産額1千万円〜
5千万円未満
3〜4万円/月額
管理財産額5千万円以上 5〜6万円/月額

※ 管理財産額とは、預貯金、有価証券等の流動資産額の合計です。

任意後見監督人の職務内容

  1. 任意後見人の事務を監督すること
  2. 任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告をすること
  3. 急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において必要な処分をすること
  4. 任意後見人と本人との利益が相反する行為について本人を代表すること

※ 後見監督人の報酬額は、家庭裁判所が決定いたします。
     目安は1万円/月額くらいです。

尊厳死宣言書とは
「リビング・ウィル」とも呼ばれ、本人が自らの意思で延命措置を差し控え又は中止し、「尊厳死を望む」という考えを医療関係者や家族らに「意思表示する書面」のことです。
日本では尊厳死についての法律がないため、この文書があっても、そのとおりに実現される保証はありません。しかし日本尊厳死協会の調査によると、実際に末期状態になって尊厳死宣言書を提示された場合、95%以上の医療関係者が本人の希望を受け入れたというデータもありますので、尊厳死宣言書を作成しておくことで、その実現の可能性はかなり高まるといえます。

尊厳死宣言書
書面の中で宣言することのできる内容は
1)延命措置の停止
2)苦痛を和らげる処置は最大限利用
3)植物状態での生命維持措置の停止
の3点とされています。
判例に基づいた記載事項のため文面の変更はできません。
ただし、「尊厳死宣言書」は法律で書き方が決まっているわけではないので、現実に即して次の内容を盛り込む必要があります。
1.尊厳死の希望の意思表明
延命治療を拒否して苦痛を和らげる最小限の治療以外の措置を控えてもらい、安らかな最期を迎えるようにして欲しいという希望を明示します。
2.尊厳死を望む理由
尊厳死を希望する理由を明示します。理由を記載することで、家族や医療関係者への説得力が増します。
3.家族の同意
宣言書を作っても、家族が延命措置の停止に反対したら、医師はそれを無視できません。宣言書を作成する前に家族と話し合い、同意を得た上で、その同意についても宣言書に記載することが大切になります。
4.医療関係者に対する免責
家族や医療関係者らが法的責任を問われることのないように、警察、検察等関係者の配慮を求める事項が必要になります。また、医療関係者に安心を与える意味では、刑事責任だけでなく民事責任も免責する記載をすることも必要といえます。
5.宣言内容の効力
この宣言書は、心身ともに健全なときに作成したことと、自分が宣言を破棄・撤回しない限り効力を持ち続けることを明確にしておきます。

尊厳死宣言公正証書
尊厳死宣言書に上記の内容を盛り込んで書いたとしても、それは手紙などと同じ「私文書」にすぎません。自分の最期の重大な意思をきちんと担保するには、尊厳死宣言書を「公正証書」として作成、保管することが重要になります。尊厳死宣言書を公正証書にする手順は次のとおりです。
①宣言書に盛り込む内容を決め、原案を作成する

②原案をもとに公証人と内容を打合せ、公正証書文案を作成する

③公証人から提示された公正証書文案を確認し、必要に応じて校正作業を行う

④公証役場で公正証書を作成、署名押印を行い完成

※ 尊厳死宣言は死亡直前の事項に関するもので、遺言は死後事項に関するものですので、尊厳死宣言を遺言の付言事項(法定外事項)とすることは適していません

参考

日本尊厳死協会
http://www.songenshi-kyokai.com/
相続なんでも相談センター
http://higamaru.jp/info/1100.html
 

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