香港法人を閉鎖する場合、二つの方法があります。一つは「会社精算」、もう一つは「会社登記抹消」です。
「会社清算」は、日本でいう清算結了にあたり完全に消滅します。
「会社登記抹消」は、登記抹消後も引き続き取締役及び株主に対する責務が存在します。
1. 会社清算
会社清算には、株主又は債権者による任意清算(自主清算)と裁判所による強制清算があります。一般的な株主による任意清算の条件は下記の通りです。
- 帳簿が完備されている
- 株主総会の特別決議を通過し、過半数の株主より同意を得た
- 未払債務(政府のライセンス費用と税金含む)がないこと
- 清算者を1人任命し、手続きを監査し処理する
会社清算手続きの流れ
- 債権債務の整理
- 会計監査
- 税務申告
- 資産・負債報告書の作成
- 取締役による会社支払能力証明書作成
- 取締役会決議(上記の承認)
- 支払能力証明書提出
- 株主総会開催
- 官報公告
- 会社清算人の任命登記
- 税務局からのタックスクリアランスレター入手後、残余財産金額の確定と分配
- 清算報告書作成
- 最終株主総会開催
- 上記議事録の提出
- 清算人の業務終了報告
- 会社清算完了
期間は、通常1年から1年半かかります。
2.会社登記抹消
会社登記抹消は、会社清算より簡易な方法で登記抹消できるシステムです。
会社清算との違いは、下記の通りです。
- 会社の登記抹消完了後も引き続き取締役及び株主への責務は存続します。
- 登記抹消時に会社が保有する資産は香港政府の所有物となります。
- 登記抹消後20年間は、債権者等が裁判所に申し立てて承認された場合、登記抹消認可
取消しとなり、会社登記を復活、債務履行させる可能性があります。
登記抹消申請の条件として、以下に当てはまることが必要です。
- 全ての株主が同意すること
- 会社は事業活動を行っていない又は抹消申請日より事業を停止して3ヶ月以上経過していること
- 未払債務(政府のライセンス費用と税金含む)がないこと
会社登記抹消手続きの流れ
- 銀行口座閉鎖3ヵ月後にそこまでの会計監査
- 税務申告
- 税務局からタックスクリアランスレター入手
- 会社登録処に登記抹消申請
- 官報公告
- 公告後3ヶ月間に異議申し立てがなければ登記抹消完了
期間は、通常6ヶ月〜8ヶ月ほどかかります。
閉鎖手続きにあたっては、香港法人設立時に発行された記録、直近の決算書類を確認いたします。
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